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広く見える間取りと使いやすい間取りは違う|リノベーションの判断基準

同じ面積で広く見える間取りと実際に使いやすい間取りを比較するイメージ はじめての中古リノベ

壁の少ないLDKやガラスの室内窓は、写真で広く見えます。ただし、完成写真が広く見えることと、入居後に使える場所が多いことは同じではありません。家具を置いたら通路が狭くなる、収納が足りず物が見える、音やにおいが家全体へ広がることもあります。

間取りを考えるときは、「広く見せる工夫」と「日常に使える範囲を増やす工夫」を分けて確認します。

50〜70㎡で比べる検討例

ここでは、実在の施工事例ではなく、同じ住戸面積でも判断が分かれる条件を示します。完成写真のように家具が少ない状態ではなく、入居後に置く物と家族の同時利用を図面へ入れて比べるのがポイントです。

65㎡・共働き夫婦と小学生1人の場合

元の3LDKから壁を減らして、20㎡前後の大きなLDKにする案を考えます。幅180cm・奥行85cmのソファ、幅140cm・奥行80cmのダイニングテーブル、幅120cm・奥行60cmの仕事机を置くと、LDKは写真ほど空いて見えません。食材、ランドセル、仕事道具の収納を後から足すと、通路や椅子を引く場所も必要になります。

この家庭では、壁をなくした大きなLDKが合うのは、子どもの勉強場所をLDKに置き、夫婦の仕事時間が重ならず、音を分ける必要が少ない場合です。一方、夫婦が同時にオンライン会議をするなら、LDKを16〜18㎡程度に抑えても、隣に引き戸で閉じられる5〜6㎡程度の仕事・学習スペースを残す方が使いやすい可能性があります。どちらが正解ということではなく、「広さを感じる瞬間」と「分けたい時間」を先に決めます。

見た目を優先しすぎた場合の注意

見た目の提案入居後に起こり得ること事前に確認すること
壁をなくして一室にする音・におい・冷暖房が共有される仕事、睡眠、食事の時間帯が重なるか
収納を少なくして床を広く見せる日用品が床や家具の上に出る掃除用品、季節用品、書類の置き場所
大きな窓へ視線を通す窓際に家具を置けず、日射や暑さが気になるカーテン、エアコン、家具の位置
ガラス建具を使う光は通るが、視線と音も通る在宅勤務、子どもの就寝、来客時の目隠し
廊下を短くする各室の出入口がLDKに集まる扉の開閉、家族の動線、プライバシー

開放感をつくる工夫を採用するなら、同時に収納、音、温度、視線の対策も図面へ書き込みます。

広く見せる工夫

広く見える空間には、視線を途中で止めない工夫があります。

  • 背の高い家具を減らす
  • 室内窓やガラス建具で奥まで視線を通す
  • 床や壁の色を連続させる
  • 建具の高さや枠をそろえる
  • 照明を分散し、暗い隅を減らす
  • カーテンや家具の高さを整える

これらは圧迫感を減らすのに有効ですが、収納量や通路幅を自動的に増やすわけではありません。

使える範囲を増やす工夫

日常で使える範囲を増やすには、人と物の動きを確認します。

確認項目広く見えるだけの状態使いやすい状態
通路家具を置く前は広い家具設置後も人が通れる
収納物を置かなければすっきり使う場所の近くに戻せる
建具開け放すと広い開閉しても家具や人に当たらない
個室壁がなく開放的必要なときに音と視線を分けられる
LDK大きな一室に見える食事・仕事・休憩がぶつからない
冷暖房空間が連続している温度差と光熱費を許容できる

間取り図には、家具だけでなく椅子を引く範囲、収納扉を開く範囲、人がすれ違う場所まで書き込みます。何も置かれていない内見時の印象だけで決めないことが大切です。

開放感と交換になるもの

壁や建具を減らすと、音、におい、冷暖房、プライバシーへ影響します。在宅勤務とテレビ視聴が重なる家庭、生活時間が違う夫婦、成長後に個室が必要な子どもがいる家庭では、開放感だけを優先しない方がよい場合があります。

可動間仕切りや引き戸を使えば、普段は開けて広く使い、必要なときだけ分ける方法もあります。ただし、固定壁と同じ遮音性は期待できません。レール、床の段差、収納場所、開閉の手間も確認します。

内見と打ち合わせで試す方法

  1. 現在使っている家具を実測する
  2. 候補物件の図面へ家具を縮尺に合わせて置く
  3. 朝・夜・休日の家族の動きを線で書く
  4. 仕事、睡眠、料理で発生する音とにおいを記入する
  5. 将来増える物と、不要になる個室を考える
  6. 開放したい場所と、分けたい時間を担当者へ伝える

担当者へ渡す数字と条件

「広く見せたい」だけでなく、次の数字を渡すと、見た目と実用性の両方を比較しやすくなります。

  • 専有面積、現在の部屋数、残したい個室数
  • ソファ、テーブル、ベッド、仕事机、テレビ台の幅・奥行き
  • 仕事や勉強をする人数と、同時に使う時間帯
  • 収納したい物の種類、必要な棚の幅・奥行き、高さのある物
  • 引き戸を開けた状態と閉めた状態で、使いたい部屋の範囲
  • 音・におい・冷暖房を分けたい場所と時間
  • 数年後に子どもの個室や在宅勤務スペースが必要になるか

図面へ家具の外形だけを置くのではなく、椅子を引く範囲、扉を開く範囲、人が立つ位置まで含めて確認します。

間取りを変更できる範囲は物件ごとに違います。リノベーションで間取り変更はどこまでできるかで構造と設備の制約を確認し、候補物件では購入前の間取りチェックを行ってください。

まとめ

広く見える家は魅力的ですが、暮らしやすさは家具、収納、通路、音、温度、将来の変化まで含めて決まります。完成写真の印象だけでなく、家具を置いて家族が同時に動く状態を図面上で確かめましょう。

同じ面積の配分を見直す方法は、3LDKを2LDK・1LDKへ変える間取り例将来分けられる可変間取りも参考になります。

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