タイルは、色、形、光沢、凹凸によって空間の印象を大きく変えられる建材です。一方、写真の見た目だけで選ぶと、目地の掃除、濡れた床のすべり、端部の納まりで使いにくさを感じることがあります。
大切なのは、好きなタイルを探すことに加えて、使う場所に合う性能と施工方法を確認することです。
最初に壁用と床用を分ける
タイルは主に、内装壁、外装壁、床など使用部位ごとに分類されます。床は人が歩き、物を置くため、摩耗やすべりへの配慮が必要です。
壁用のタイルを床へ転用できるとは限りません。同じシリーズでも使用できる場所が異なるため、カタログの用途区分を確認します。
キッチン|油汚れと目地を確認する
キッチンでは、コンロ周辺の油、シンク周辺の水、調理中の熱に配慮します。
壁に使う場合
光沢のある平滑なタイルは拭き掃除しやすい一方、凹凸の強いものや小さなモザイクは目地が増えます。見た目だけでなく、油が付く範囲と毎日の掃除方法を考えます。
床に使う場合
水や油が落ちたときのすべり、立ち仕事での硬さ、冬の冷たさを確認します。床暖房を使う場合は、タイルだけでなく下地を含むシステム全体の対応を確認してください。
洗面|水はねする高さを先に決める
洗面では、ボウル周辺の水はねと化粧品の汚れを考えます。全面ではなく、カウンターから鏡の下までなど、汚れやすい範囲へ絞る方法もあります。
モザイクタイルは曲面や細かな範囲へ納めやすい反面、目地が多くなります。目地材の防汚・防カビ性能と、掃除道具が届くかを確認します。
玄関|泥、砂、すべり、段差を確認する
玄関床では、靴についた砂や泥、雨の日の水分、ベビーカーや自転車による傷を考えます。
凹凸が大きい床は滑りにくさへ配慮できる一方、雑巾やモップが引っかかることがあります。ショールームでは手で触るだけでなく、清掃方法も聞いておくと安心です。
既存床の上へ重ねて施工する場合は、玄関扉との干渉、上がり框との段差、床の高さを確認します。
リビングへ使う場合
タイルをリビングの床や壁へ使うと、石や土の質感を取り入れられます。屋内外で同じ意匠を使い、バルコニーへ視線をつなげる方法もあります。
ただし、マンションのバルコニーは共用部分で、施工できる範囲が限られます。室内床では硬さ、冷たさ、音の響き、床暖房への対応を確認します。
大きさで変わる印象と施工
大判タイル
目地が少なく、広く端正に見せやすい反面、切断、搬入、下地の精度が求められます。壁や床の寸法によって端に細いタイルが残らないよう、割り付けを図面で確認します。
モザイクタイル
色や形の変化をつくりやすく、洗面やニッチなど小さな面へ使いやすい材料です。目地が多いため、汚れやすい場所では目地材と清掃方法が重要になります。
目地は色だけでなく性能も選ぶ
目地はタイルの寸法差を調整し、仕上がりを整える役割があります。白、グレー、ベージュなど色によって見え方が変わり、タイルとのコントラストも生まれます。
キッチンや洗面では、水、油、カビへの配慮がある目地材を検討します。施工後の交換や補修方法も確認しておきましょう。
見積もりはタイル単価だけで比べない
- タイル本体と必要数量
- 下地づくりと防水
- 割り付け、切断、役物
- 目地材と施工費
- 見切り、端部、コーナー
- 搬入と廃材処分
小さなタイルは商品単価が低くても手間が増えることがあり、大判タイルは搬入や加工に費用がかかることがあります。完成面積あたりの総額で比べます。
サンプルと施工事例で確認すること
- 昼と夜の光で色を見る
- 濡れたときの色とすべりを確認する
- 目地色を合わせた見本を見る
- 端部とコーナーの納まりを見る
- 汚れを落とす方法を確認する
施工事例では、写真だけでなく商品名、使用場所、目地材、床暖房の有無まで分かると判断しやすくなります。
まとめ
タイル選びでは、好きな色柄に加えて、壁用・床用の区分、すべり、清掃性、目地、下地を確認します。
キッチン、洗面、玄関は求められる性能が違います。サンプルと施工事例を見ながら、使う範囲と手入れを具体的に想像し、見積もりでは施工を含む総額を比べましょう。
壁材全体の比較はリノベーションの壁材比較もご覧ください。
参考:LIXIL「タイルにはどのような種類がある?」、LIXIL「タイル張りの目地とは?」、LIXIL「床タイル」
床・壁・天井を含めた素材全体の選び方は、リノベーションの建材選びでまとめています。


