中古マンションを買ってリノベーションする過程では、不動産、住宅ローン、設計、工事の専門用語が一度に出てきます。
すべてを暗記する必要はありません。分からない言葉が出たときに意味を確認し、「自分の計画にどう影響するか」を担当者へ質問できれば十分です。このページでは、物件探しから入居までの順番に沿って、よく使う言葉を整理します。
まず「リフォーム」と「リノベーション」の使い分けを知りたい方は、リフォームとリノベーションの違いから確認してください。
物件探しで使う用語
専有部分
区分所有者が単独で所有し、使用する住戸内の部分です。ただし、窓、玄関扉、バルコニーなどは住戸の近くにあっても共用部分として扱われることが一般的です。
共用部分
廊下、階段、エレベーター、外壁、構造体、共用配管など、区分所有者全員で所有・管理する部分です。個人の判断で変更できません。
専有面積
住戸として所有する部分の面積です。壁の中心線から測る「壁芯」と、壁の内側から測る「内法」があり、広告と登記で数値が異なることがあります。
管理規約
マンションの管理と使用に関する基本ルールです。床材の遮音性能、工事可能時間、申請手続きなどは、使用細則やリフォーム細則に定められていることもあります。詳しくはマンション管理規約で確認することをご覧ください。
長期修繕計画
外壁、屋上防水、給排水設備など、共用部分の将来の修繕時期と費用を見通す計画です。計画があるだけでなく、修繕積立金の残高、値上げ予定、大規模修繕の履歴も確認します。
修繕積立金
将来の大規模修繕などに備えて、区分所有者が毎月積み立てる費用です。購入後も管理費とともに支払いが続きます。
旧耐震・新耐震
一般に、1981年6月1日より前の建築確認に適用された基準を旧耐震、それ以降を新耐震と呼びます。築年だけで断定せず、建築確認日、耐震診断、補強履歴、管理状況を確認します。
ラーメン構造
柱と梁で建物を支える構造です。住戸内の間仕切り壁を変更しやすい場合がありますが、柱や梁は動かせません。
壁式構造
壁と床で建物を支える構造です。室内の壁に構造上必要な耐力壁が含まれることがあり、間取り変更の範囲が限られる場合があります。壊せる壁・壊せない壁もご覧ください。
購入と契約で使う用語
重要事項説明
売買契約の前に、宅地建物取引士が権利関係、法令上の制限、管理状況、契約条件などを説明する手続きです。リノベーションの実現性が自動的に保証されるものではありません。
売買契約
買主と売主が物件の売買条件に合意する契約です。契約後の解除には条件や費用が伴うため、希望する工事の可能性と総予算は申込み前から確認します。
手付金
売買契約時に買主から売主へ支払う金銭です。売買代金の一部へ充当されるのが一般的ですが、解除時の扱いは契約内容によって異なります。
ローン特約
予定していた住宅ローンの承認を得られなかった場合に、一定の条件で売買契約を解除できる特約です。対象となる金融機関、金額、期限を確認します。
引き渡し
残代金を支払い、所有権移転登記と鍵の受け取りを行う段階です。中古購入後に工事を始める場合、通常は引き渡し後に住戸へ入って着工します。
資金計画で使う用語
物件価格
中古マンションそのものの購入価格です。リノベーションでは、物件価格だけで予算を使い切らず、工事費と諸費用を含む総額から上限を決めます。
購入諸費用
仲介手数料、登記費用、ローン関係費用、税金、保険料など、物件価格以外にかかる費用です。現金での支払いが必要な項目と時期を確認します。
住宅ローン一体型
物件購入費とリノベーション費をまとめて借りる方法です。金融機関によって名称、対象工事、審査、見積もり提出期限が異なります。住宅ローンとリノベーション費用で詳しく解説しています。
リフォームローン
主に工事費を対象とするローンです。無担保型は手続きが比較的簡単な場合がある一方、住宅ローンと金利や返済期間が異なります。
予備費
解体後に分かる下地や配管の状態、仕様変更などへ備える費用です。金額だけでなく、どのような場合に使うかを決めます。
設計で使う用語
スケルトン
内装や設備を撤去し、構造体に近い状態へ戻すこと、またはその状態を指します。共用配管や構造壁など、すべてを撤去できるわけではありません。
インフィル
構造体に対し、住戸内の間仕切り、内装、設備などを指します。リノベーションで主に変更する部分です。
PS(パイプスペース)
給排水管などを通す空間です。共用配管が含まれる場合があり、位置を動かせないことが一般的です。水まわりの移動範囲に影響します。
MB(メーターボックス)
電気、ガス、水道などのメーターを収める場所です。共用廊下側にあり、共用部分として扱われることが一般的です。
二重床・直床
二重床は床スラブと仕上げ床の間に空間を設ける工法、直床はスラブへ床材を直接施工する工法です。水まわりの移動、床高、遮音、段差に関係しますが、工法名だけで性能は決まりません。
二重天井・直天井
二重天井はコンクリートスラブの下に天井を組み、配線やダクトを通す空間をつくる方法です。直天井はスラブ面を仕上げとして見せる方法を含みます。
梁・下がり天井
梁は建物を支える構造部材で、撤去できません。下がり天井は梁や設備配管・ダクトを隠すために天井の一部を低くした部分です。
有効寸法
仕上げ後に実際に使える内側の寸法です。図面上の寸法だけでなく、家具、通路、扉の開閉、設備の点検に必要な余裕を確認します。
工事で使う用語
解体
既存の内装や設備を撤去する工事です。解体後に下地、配管、躯体の状態が分かり、追加工事が必要になる場合があります。
下地
床、壁、天井の仕上げ材を支える部分です。完成後は見えませんが、平滑さ、強度、固定方法が仕上がりと耐久性に影響します。
造作
現場の寸法に合わせて収納、建具、カウンター、洗面台などをつくることです。既製品より自由度が高い一方、交換方法と費用を確認します。
施工図
設計図をもとに、現場で施工する寸法や納まりを詳しく示した図面です。造作家具、設備、タイルの割り付けなどで使われます。
施主支給
設備や照明などを依頼主が購入し、施工会社へ取り付けを依頼する方法です。納期、検品、保管、保証、取り付け費、故障時の責任分担を確認します。
竣工検査・施主検査
工事完了時に、図面や仕様どおりに仕上がっているか、不具合がないかを確認する検査です。工事中の検査と品質管理もご覧ください。
是正工事
検査で見つかった不具合や未完了部分を直す工事です。内容、完了予定日、再確認方法を記録します。
追加変更工事
契約後の仕様変更や、解体後に判明した事情によって追加・変更する工事です。口頭だけで進めず、内容、金額、工期への影響を確認します。
引き渡し後に使う用語
アフターサービス
引き渡し後の点検や不具合対応など、会社が定めるサービスです。期間と対象は会社ごとに異なるため、保証と分けて書面で確認します。
保証
一定の条件と期間で、施工や製品の不具合に対応する約束です。設備メーカーの製品保証と施工会社の工事保証は別の場合があります。
取扱説明書・竣工図書
設備の説明書、保証書、仕上表、図面、工事写真など、完成後の維持管理に使う資料です。将来の修理や売却に備えて保管します。
用語が分からないときの質問方法
専門用語を知っていることより、計画への影響を確認することが大切です。
- この言葉は、この物件のどこを指しますか
- 希望する間取りや設備にどう影響しますか
- 購入前に確認できますか
- 費用と工期は変わりますか
- 誰が、いつ、どの資料で確認しますか
まとめ
中古購入とリノベーションでは、分野ごとに同じ言葉が違う意味で使われることもあります。分からない用語をそのままにせず、図面、写真、見積書の該当箇所を示して説明してもらいましょう。
全体の流れは中古購入+リノベーションの流れ、会社選びはワンストップリノベーション会社の選び方で確認できます。


