住宅ローンが残っているからといって、リノベーションの資金調達が一律にできなくなるわけではありません。ただし、今のローンへ工事費を自由に追加できるわけでもありません。現在の借入を続ける案と、借り換えを含める案を、家計と工事の支払い日まで合わせて比べる必要があります。
この記事は、すでに所有・居住している住宅の改修を考えている人向けです。これから物件を購入する場合は、購入費とリノベ費用をまとめる住宅ローンをご覧ください。借入の可否や条件は金融機関の審査によるため、ここでは選択肢と相談の準備を整理します。
最初にそろえるのは、ローン残高と工事の概算
月々の返済額だけで判断せず、返済予定表から残高、残り期間、金利の種類、固定期間の終了時期を確認します。ペアローンや連帯債務の場合は、それぞれの借入と所有関係も整理してください。借入先へ説明する際、世帯全体の数字と個人ごとの数字を混ぜないことが大切です。
工事側では、見積額だけでなく、着手金・中間金・最終金の予定を出してもらいます。正式な仕様が未定なら、概算であることを伝え、金融機関へ審査を進めるために必要な資料と提出時期を聞きましょう。工事契約を急いで先に結ぶのではなく、資金が用意できない場合の条件も含めて順序を決めます。
持ち家の工事費を用意する3つの考え方
| 案 | 比較する点 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 今の住宅ローンを続け、自己資金で工事 | 新たな借入手続きや利息を増やさずに済むか | 手元資金を使い切らず、生活費・教育費・予備費を残せるか |
| 今の住宅ローンを続け、別のローンで工事費を借りる | 既存の借入条件を維持できるか。工事費だけの返済期間と負担 | 二つの返済が重なる。既存借入を含めた審査と融資時期の確認が必要 |
| 住宅ローンの借り換えと工事費を合わせて検討 | 利用できる商品か。残りの返済と工事費を合算した総支払額 | 手数料・登記等の諸費用、金利条件、団信・担保、借り換え対象の条件 |
三菱UFJ銀行の公式FAQでは、住宅ローンの借換資金とリフォーム資金を合わせる使い方が案内されています。これは選択肢が存在する根拠であり、すべての金融機関や申込人が利用できるという意味ではありません。同じ銀行でも、借り換えの対象や商品ごとの条件があるため、現在の借入先と検討先の両方へ確認します。
自己資金を使うなら「残す金額」を先に決める
貯蓄額から工事代を引くだけでは、生活の余裕が見えません。近い将来に使うお金、日々の生活を支える資金、仮住まい・引っ越し・工事の予備費を分け、そのうえで工事に使える額を考えます。一部を自己資金、一部を借入にする組み合わせも比較できます。
別に借りる場合は、二つの月額を一緒に見る
リフォームローンには無担保型などの商品がありますが、無担保という名称は審査が不要という意味ではありません。借入可能額、期間、資金使途、所有者との関係、収入や既存借入などの条件を商品説明で確認してください。
住宅ローンの返済に管理費・修繕積立金、固定資産税等も加え、工事費の返済が増えた後の住居費を確認します。別の借入がある場合も含め、「新しいローンだけなら払える」という判断を避けましょう。
借り換えは、金利差だけで決めない
比較の軸は、今から完済までに支払うお金と、毎月の家計への影響です。借り換え後の金利が低く見えても、手数料や返済期間の延長によって総支払額の差が小さくなる場合があります。月額が下がることと、総額が減ることは分けて確認します。
- 現在の住宅ローンをそのまま返した場合の残りの支払総額
- 工事費を別に借りた場合の元金・利息・手数料
- 借り換えに必要な事務手数料・登記関連費用など
- 既存ローンの完済にかかる費用や、返還がある場合の扱い
- 金利の変動、返済期間、団信の保障内容と利用条件
税制の扱いも金利と別の確認項目です。借り換えや工事を行えば住宅ローン控除がそのまま続く、あるいは新たに使えるとは限りません。税務上の条件は、リノベーションの減税制度と国税庁の最新案内を確認し、個別の判断が必要なら税務署等へ相談してください。
相談前に埋める資金比較メモ
返済予定表、預貯金の残高、工事の概算見積もりを手元に置き、次の欄を埋めます。家族で残しておきたい資金を先に決めれば、「借りられるか」だけでなく「いくらまで使えるか」を相談できます。
| 記入項目 | 書き込む内容・資料 |
|---|---|
| 現在の住宅ローン | 残高[ ]円/残り[ ]年/毎月[ ]円/ボーナス返済[ ]円。返済予定表で確認 |
| 残しておく資金 | 生活を支える資金[ ]円+教育費など予定支出[ ]円 |
| 工事に使える自己資金 | 預貯金から上記と仮住まい・引っ越し・予備費を除き[ ]円 |
| 比較する工事 | 工事範囲[ ]/概算[ ]円。追加希望分は別欄に分ける |
| 支払い予定 | 着手金[日付・金額]/中間金[日付・金額]/最終金[日付・金額] |
| 借入先からの回答 | 借入額・期間・毎月返済・支払総額・諸費用・実行可能日を、候補ごとに記録 |
同じ工事範囲・自己資金額で試算してもらい、現在の住宅ローンを含む今後の支払いを比較します。諸費用を借入へ含める場合は、試算の総額へ重ねて足さないようにします。総額を下げたいのか、毎月の負担を抑えたいのかも分けて伝えましょう。希望の全工事を同時に行わず、必要な部分だけに絞る選択も残せます。
審査が通っても、支払い日に間に合うとは限らない
見落としやすいのが融資実行日です。工事会社は契約時や着工時の支払いを求める一方、借入商品によっては必要書類や資金の支払い方が定められています。工事の最終金だけを基準に借入を考えると、着手金の時点で資金が足りなくなるおそれがあります。
三菱UFJ銀行のリフォームローンの申込案内では、見積書等による資金使途の確認や、契約時の工事請負契約書・振込先情報の提出が案内されています。必要書類と実行までの日数は利用する商品で確認し、施工会社の請求予定と照合してください。
費用が変わったときの再手続き、自己資金で先に払った費用の扱い、分割した支払いへの対応も聞いておきます。具体的な一覧は着手金・中間金・最終金と資金繰りで整理できます。
金融機関と工事会社へ、それぞれ聞くこと
金融機関に確認すること
- 住宅ローン返済中の自宅改修に使える商品と条件
- 現在の借入先・所有名義・担保の条件による制約
- 既存借入を含めた返済負担、金利・期間・諸費用
- 融資実行日と、複数回の工事支払いへの対応
- 見積額が変わる場合、融資前に工事契約する場合の扱い
工事会社に確認すること
- 概算見積もりと正式見積もりが出る時期
- 契約金・着手金・中間金・最終金の金額と期日
- 融資の承認や実行が間に合わない場合の対応
- 工事の追加・変更が発生する条件と承認の手順
持ち家の改修範囲から整理したい場合は、リノベる。mineの対応範囲と相談の流れも参考になります。工事会社による資金相談と金融機関の融資判断は別です。借りられる上限まで工事を増やすのではなく、改修後も無理なく暮らせる支払い計画を基準に選びましょう。
参考にした公式情報
情報確認:2026年9月12日。設備仕様・制度・規約の扱いは、対象物件と最新の公式情報で確認してください。見出し画像はAI生成のイメージで、実際の施工事例ではありません。


